XRPレジャーとは?その特徴と強み・戦略

XRPレジャー(以下、XRPL)は、リップル社(Ripple Labs Inc.)によって開発されたオープンソースの分散型台帳技術(DLT: Distributed Ledger Technology)であり、国際送金の高速化と低コスト化を目的とした暗号資産XRPの基盤となるプラットフォームです。
XRPLの概要、仕組み、特徴を詳しく説明します。

1.XRPレジャーの概要

定義

XRPLは、XRPをネイティブ通貨とする分散型台帳で、トランザクション(取引データ)を記録し、異なる台帳間での価値移転を効率化します。国際標準規格であるInterledger Protocol(ILP)を基盤としており、異なる通貨やネットワーク間でのシームレスな送金を可能にします。()

開発の歴史

2004年: カナダのプログラマーRyan Fugger氏がXRPLの基礎を構築。
2011年: Jed McCaleb氏がコンセンサスアルゴリズム(現:XRP Ledger Consensus Protocol)を開発。
2012年: OpenCoin Inc.(現在のリップル社)設立、XRPの発行開始。
2015年: Ripple Labs Inc.に改名、オートブリッジ機能追加。(XRPに関するウイキペディア)

目的

主に国際送金の効率化を目指し、従来の銀行送金システム(例:SWIFT)に代わる高速かつ低コストなソリューションを提供。

2. XRPレジャーの仕組み

XRPLは、以下の技術的要素で構成されています。

分散型台帳

トランザクションはXRPL上に記録され、暗号技術で保護。ユーザー(企業、個人、取引所など)による分散管理で改ざん耐性が高い。

コンセンサスアルゴリズム(XRP Ledger Consensus Protocol, XRP LCP)

・マイニング(Proof of Work)を使用せず、バリデーター(検証者)がトランザクションの正当性を検証し、合意形成を行う。
・プロセス:バリデーターがトランザクションを検証し、80%以上(Cobalt導入後は60%)の承認で台帳に記録。
・特徴:高速処理(約3.6秒で送金完了)、低手数料(約0.001ドル)。

ノードの役割

・承認ノード(Validating Node): トランザクションの検証と承認を行う。
・トラッキングノード(Tracking Node): トランザクションを他のノードに伝播させる。
・暗号エスクロー: 取引の秘匿性を高め、金融機関のコンプライアンス要件に対応。資金は直接送金せず、流動性プロバイダー(コネクター)を介する
・オートブリッジ機能: マイナーな通貨ペアの取引をXRPをブリッジ通貨として効率化し、流動性と為替レートを改善。

3. XRPの特徴

・ネイティブ資産: XRPはXRPL内で唯一のネイティブ通貨で、1000億XRPが事前に発行済み(追加発行なし)。
・ブリッジ通貨: 異なる通貨間(例:マイナー通貨ペア)の取引でXRPを介すことで、迅速かつ低コストな送金を実現。
・カウンターパーティーリスクの排除: XRPは負債ではなく資産として機能するため、第三者の信用リスクなしで価値移転が可能。
・取引の効率性: 銀行口座不要、手数料無料(スプレッドを除く)、24時間365日取引可能。

4. RippleNetとの関係

RippleNetはXRPLを基盤とするリップル社の送金ネットワークで、以下のようなサービスを提供:
・xCurrent: 銀行間送金の効率化。
・Ripple Payments(旧xRapid): XRPをブリッジ通貨として使用し、迅速な送金を実現。
・On-Demand Liquidity (ODL): 法定通貨をXRPに変換し、即時送金後、受取国で現地通貨に再変換。
・金融機関や送金プロバイダーとの提携が進み、中央銀行も採用を検討。

5. XRPLの強み・戦略、課題

強み

・高速性: トランザクション処理は約3~5秒(SWIFTは数日、ビットコインは10分~1時間)。[](https://shogo-log.com/what-is-xrp/)
・低コスト: 取引手数料は約0.001ドルで、スプレッドを除く売買手数料は無料。[](https://bitflyer.com/ja-jp/ripple-chart)
・スケーラビリティ: 毎秒1500件のトランザクションを処理可能。[](https://bitflyer.com/ja-jp/ripple-chart)

課題

・中央集権の懸念: バリデーターのリスト(UNL)の管理において、リップル社の影響力が強いと指摘される。
リップル(XRP)の中央集権性:メリットとデメリット
・分散化の取り組み: リップル社は第三者UNLを増やし、自身のUNLを減らすことで分散化を推進。Cobalt導入で承認率を60%に引き下げ、ネットワークの健全性を強化。

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