リップル・XRP、この夏は強気でいいのか?弱気の調整はどこまで下げるのか?(2025年6月25日)

リップル・XRPの動向

リップル(XRP)の価格は、2025年4月8日頃の底値以降、一進一退のチャートアクションを示しており、ファンダメンタル分析においても、ネット上の専門家の見解も強気と弱気の見方が拮抗しています。以下に、強気と弱気の論拠をそれぞれをできるだけ詳細に解説します。

1. 強気の論拠

強気派は、リップルの技術的優位性、採用拡大、法的進展、市場環境の好転を根拠に、XRPの価格上昇を予測しています。
以下に主なポイントを詳しく解説します。

(1) リップルの技術的優位性と実用性の拡大

国際送金ソリューションの強み

リップルは、国際送金に特化したブロックチェーン「XRP Ledger(XRPL)」のネイティブ通貨として設計されており、高速かつ低コストのトランザクションを実現します。リップル社の「On-Demand Liquidity(ODL)」は、XRPをブリッジ通貨として活用し、従来の国際送金の課題(高コスト・遅延)を解決します。300以上の金融機関がリップルネットを利用しており、特にアジア市場(日本、韓国、タイなど)での採用が進んでいる点が強気材料です。

新たなユースケースの開発

リップルはスマートコントラクトを実装する「フレアネットワーク」の開発を進め、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)など新たな分野への展開を図っています。これにより、XRPのユースケースが送金以外にも拡大し、需要増加が期待されます。(リップルの将来性、成長シナリオ)

SBIレミットなどのパートナーシップ

過去の例として、SBIレミットとCoin.phの連携がXRPの価格上昇要因となったように、具体的なパートナーシップの発表は市場の信頼を高めます。こうした提携が今後も増える可能性は、強気派の重要な論拠です。

(2) SEC訴訟の進展と法的リスクの軽減

裁判の勝訴期待

リップル社は2020年から米国証券取引委員会(SEC)と訴訟中ですが、最近の動向ではリップル側に有利な判決や進展が見られ、リップル側の実質的な勝訴と見る動きが大勢を占めます。
たとえば、SECの控訴が部分的に棄却されたり、リップル支持の法定助言書が提出されたりしたことが、市場の楽観ムードを支えています。
訴訟の長期化は不確定要素ですが、勝訴すればXRPの規制リスクが大幅に減少し、機関投資家の参入や価格急騰のきっかけになると考えられています。(リップル(XRP)の今後の見通し)

ステーブルコイン承認の可能性

リップルがステーブルコイン発行の承認を得る可能性も、XRPのエコシステム拡大と価格上昇の要因として注目されています。(リップルのステーブルコイン、ドバイでの導入承認)

(3) ETF承認期待と機関投資家の関心

XRP ETFの可能性

ビットコインやイーサリアムのETF承認後、XRPが次にETF化される仮想通貨として注目されています。ETF承認は、機関投資家の資金流入を促進し、価格の大幅な上昇を引き起こす可能性があります。特に、2024年10月以降、XRP ETFに関する議論が活発化している点は強気派の主要な論拠です。(ETF化される仮想通貨として呼び声が高いのが、XRP(リップル))

市場全体の強気ムード

仮想通貨市場全体が2025年に強気相場に入るとの予測があり、ビットコインやイーサリアムの価格上昇がアルトコイン(XRPを含む)に波及する可能性が高いです。ソーシャルメディア上でも、2017年のXRP急騰を再現するとの楽観的なムードが見られます。

(4) テクニカル分析の強気シグナル

レンジブレイクの可能性

XRPは200日移動平均線付近でレンジ相場を形成しており、MACDの強気クロスや三角レンジの上抜けが起きれば、3ドル超への急騰が現実味を帯びるとの分析があります。短期的な調整リスクはあるものの、中長期では上昇トレンドが期待されています。

価格予測の楽観論

一部のアナリストは、2025年に6.22ドル、2026年に4.76ドル、長期では23.50ドルまでの上昇を予測しています。これらは、国際送金の需要拡大や市場環境の好転を前提とした強気シナリオです。

(5) 市場センチメントの影響

日本ではXRPの人気が高く、取引量も多いため、市場の強気ムードが価格を押し上げする要因となっています。特に、SBIグループとの強固な関係が日本の投資家層の信頼を支えています。(リップル・XRPが日本で人気があるのはなぜ?)

2. 弱気の論拠

一方、弱気派は、規制リスクの継続、市場の硬直化、競合他社との競争、テクニカルなリスクを根拠に、XRPの価格下落や停滞を予測しています。以下に主なポイントを解説します。

(1) SEC訴訟の不確定性

訴訟の長期化

SECとの訴訟は進展が見られるものの、完全な解決しておらず、長期化が確実視されています。訴訟の不確実性は、機関投資家の参入を抑制し、価格の上値を抑える要因です。最悪の場合、SECが新たな規制を課す可能性もあり、XRPの市場信頼性が損なわれるリスクが指摘されています。(リップルSEC訴訟の長期化の見込み)

過去の下落影響

2020年のSEC提訴後、XRPは一時0.58ドルから0.53ドルまで下落した事例があり、訴訟関連のネガティブなニュースは価格の急落を引き起こす可能性があります。

(2) 市場全体の硬直化と競争激化

市場の弱気トレンド

仮想通貨市場全体が下落局面に入ると、XRPも同様のアルトコインとして影響を受けます。2024年11月から12月にかけて、XRPは113円ラインで売買が拮抗し、約30%の下落を示した事例があり、市場全体のセンチメントが弱気に傾くと同様の動きが懸念されます。

競合他社の台頭

国際送金分野では、ステラ(XLM)やSWIFTのブロックチェーン対応など、競合技術が台頭しています。リップルが市場シェアを維持・拡大できなければ、XRPの需要が停滞するリスクがあります。

(3) テクニカル分析の調整リスク

レンジ下限のリスク

XRPは現在、三角レンジの下限(1.90〜2.00ドル)付近で推移しており、CRSI(相対力指数の改良版)が過熱を示しています。下抜けした場合、1.90ドルを割り込み、さらなる下落(62円台のサポートライン)が予想されます。

短期的な過熱感

ソーシャルメディアやテクニカル指標では、短期的な調整リスクが指摘されており、急騰後の押し目が深くなる可能性があります。

保守的な価格予測

保守的なアナリストは、2025年に2.38〜3.04ドル、2026年に0.91〜3.00ドルと、強気予測よりも大幅に低いレンジを予想しています。これらは、規制リスクや市場の不確実性を反映したものです。

(4) 市場構造の問題

リップル社のXRP売却圧力

リップル社が保有する大量のXRPを定期的に市場で売却しており、これが価格の上値を抑える要因となっています。特に、訴訟関連の資金調達や運営資金のために売却が続く場合、需給バランスが悪化する可能性があります。

流動性の課題

XRPの大口資金の動きや流動性が不足する場合、価格の急激な変動(特に下落)が起こりやすく、投資家の信頼を損なうリスクがあります。
XRPに調整の兆し・テクニカル分析は25%下落の可能性を示唆

(5) ファンダメンタルの限界

実需拡大の遅れ

リップルの国際送金ソリューションは有望ですが、実際の採用拡大には時間がかかります。市場では、XRPの社会実装に10年以上が必要との見方もあり、短期的な価格上昇を期待する投資家にとっては弱気材料です。

マクロ経済の影響

世界的な金利上昇や経済不安が続くと、リスク資産である仮想通貨全体の需要が低下し、XRPも影響を受けます。特に、米国の金融政策の動向は無視できません。

3. 強気と弱気の拮抗要因

強気と弱気が拮抗している背景には、以下のような要因があります。

短期 vs. 長期の視点

短期的なテクニカル指標や訴訟ニュースは弱気材料を強調しますが、長期的な技術採用やETF期待は強気材料として作用します。投資家の時間軸によって見方が分かれます。

市場センチメントの変動

ソーシャルメディアやニュースのヘッドライン(例:ETF承認期待や訴訟進展)に価格が敏感に反応し、強気と弱気のムードが短期間で入れ替わります。

不確実性の高さ

SEC訴訟やマクロ経済環境、競合他社の動向など、不確定要素が多いため、強気・弱気どちらのシナリオも確実性が低いとされています。

4. 結論

強気派の論拠

リップルの技術的優位性(国際送金の効率化、新ユースケース)、SEC訴訟の勝訴期待、XRP ETF承認の可能性、市場全体の強気ムード、テクニカルなブレイクアウト期待が主な根拠。2025年に6ドル超、長期で20ドル超の予測もあるが、楽観的すぎる面も。

弱気派の論拠

SEC訴訟の長期化リスク、市場全体の弱気トレンド、競合他社の台頭、テクニカルな調整リスク、リップル社の売却圧力、実需拡大の遅れが主な根拠。短期では1.90ドル割れや62円台への下落リスク、保守的な予測では2〜3ドル程度のレンジ推移が予想される。

現時点(2025年6月25日)では、XRPの価格は約314〜318円(2.19ドル)で推移しており、強気・弱気の両シナリオが拮抗するレンジ相場が続いています。 投資判断には、SEC訴訟の進展、ETF関連ニュース、市場全体の動向を注視することが重要です。特に、訴訟の決着やETF承認が明確なトリガーとなり、価格の方向性を決定づける可能性が高いです。

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