2025年5月19日、米国(CMEグループ)でXRPの先物取引が米国で開始され、初日の出来高がビットコイン、イーサリアム、ソラナに次ぐ規模であったというニュース(XRP先物に関するコインポストニュースから、今後のXRP(現物)の値動きについて推察してみましょう。
1. 短期的な価格変動の可能性
ボラティリティの増加
CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)でのXRP先物取引開始は、機関投資家の参入や市場の流動性増加を促す可能性があります。これは短期的にXRPの価格にボラティリティをもたらす可能性が高いです。過去の例(ビットコインやイーサリアムの先物開始時)では、先物上場後に価格が一時的に下落する傾向が見られました。これは、過剰な強気センチメントによる利確やショートポジションの増加が原因と考えられます。XRPも同様に、初日の出来高が大きいことから、短期的な価格調整(下落)が起こる可能性があります。(CME先物開始後のXRP価格の見通し)
実際のデータ
XRP先物の初日出来高は1900万ドル(約27億円)で、ソラナの初日出来高1230万ドルを上回りました。この高い出来高は、市場の関心の高さを示しており、価格が一時的に2.04〜2.65ドルのレンジで推移する可能性が指摘されています。(XRP先物がCMEに上場、初日の取引高は1900万ドルでETF投機を牽引)☜この記事(英語)では、先物取引の開始が、XRPのETF化の実現を牽引する可能性も指摘していることは注目されます。下記のリンク先でも同様の指摘がなされています。
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先物の取引開始はXRP上場投資信託(ETF)にとって、大きな一歩となる可能性
2. 中長期的な価格への影響
機関投資家の参入
CMEの先物市場は規制された環境であり、機関投資家の信頼を得やすいです。XRP先物の開始は、機関資金の流入を加速させる可能性があり、これが現物価格の押し上げ要因となることが期待されます。特に、CMEの先物は現物ETF承認の前段階とみなされることが多く、ビットコインやイーサリアムのETF承認時にも同様の経緯がありました。XRPのETF承認期待が高まれば、中長期的に価格は上昇傾向を示す可能性があります。
市場センチメント
Xの投稿では、XRP先物の開始が「信頼度UP」や「機関の本気」を示すとして、強気なセンチメントが広がっています。ただし、短期的な乱高下リスクや「CME効果」(上場後の価格調整)への警戒も存在します。
3. テクニカル分析の観点
現在の市場状況
XRPの価格は現在、2.3ドル付近で抵抗線に直面しており、テクニカル指標(MACDは弱気、RSIは売られ過ぎ水準)を考慮すると、短期的な下げ止まり期待がある一方、抵抗線を突破できなければ下落リスクも残ります。50日移動平均線が価格を下回って下降している点も、短期的な弱気シグナルを示しています。
価格予測
Changellyによる2025年5月21日時点での予測では、XRP価格は短期的に最大8.78%の下落リスクがあるとされていますが、市場全体のセンチメントは中立的(Fear & Greed Index: 74、Greed)です。一方で、先物市場の成熟が進めば、価格は安定しつつ上昇する可能性があります。
4. 具体的な値動きのシナリオ
今後、想定されるシナリオについて、強・弱・中立の3つをそれぞれ考えてみましょう。
強気シナリオ
機関投資家の参入が続き、ETF承認期待が高まれば、XRP価格は2.65ドル以上のレンジ上限を突破し、3ドル台への急騰もあり得ます。特に、規制の明確化や伝統金融との親和性向上が強気材料として働きます。
弱気シナリオ
短期的な利確やショートポジションの増加により、価格は2.04ドル付近まで下落する可能性があります。過去のビットコイン(2017年CME先物開始後)やイーサリアム(2018年CBOE先物開始後)の例では、上場後に10-20%の下落が見られました。(BTCとETHの先物取引開始後に起こったのと同様に、大幅な調整が続く可能性が示唆されています。)
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中立的シナリオ
現在のレンジ(2.04〜2.65ドル)内で推移し、機関投資家の動向やETF関連のニュースを待つ展開が最も可能性が高いと考えられます。
5. 影響要因のまとめ
ポジティブ要因
先物市場の開始による流動性増加、機関投資家の参入、ETF承認期待、規制環境の明確化。
ネガティブ要因
短期的な利確やショートポジションによる価格調整、テクニカル指標の弱気シグナル、市場全体のボラティリティ。
結論
XRP先物の初日出来高がビットコイン、イーサリアム、ソラナに次ぐ規模であったことは、市場の高い関心と機関投資家の参入を示しています。
短期的には、過去の事例から価格調整(下落)のリスクがありますが、中長期的にはETF承認期待や機関資金の流入により上昇圧力が高まる可能性があります。
総じて、ボラティリティが大きくなることは間違いないと思われます。
現時点では、2.04〜2.65ドルのレンジ内で推移しつつ、機関動向や規制ニュースが次の価格トレンドを決定する鍵となるでしょう。投資家は短期的なボラティリティに注意しつつ、中長期的な強気材料を注視する必要があります。
補足:5月21日のニュースで、XRPのETF承認について「XRP・ドージコインETFの判断延期継続 米SEC、承認は早くても夏ごろか」の報道もあります。