暗号資産初心者でもわかるイーサリアムと概念・特徴および投資対象となる理由、専門用語や横文字を整理しながら、説明します。
イーサリアムとは
イーサリアム(Ethereum)は、分散型アプリケーション(DApps)であり、
スマートコントラクトの実行を可能にするオープンソースのブロックチェーンプラットフォームです。
以下にイーサリアムの概念と特徴を説明します。
概念
イーサリアムは、ビットコインとは異なるコンセプトを持つブロックチェーンです。
ビットコインは単一の暗号通貨を提供するのに対し、イーサリアムはブロックチェーン上でプログラム可能な
スマートコントラクトを実行するためのプラットフォームです。
スマートコントラクトは、事前に定義された条件に従って自動的に実行されるコードのことであり、
取引や契約の自動化に利用されます。
イーサリアムはスマートコントラクトを実行するための環境を提供し、開発者が独自の分散型アプリケーション(=DApps*)の構築を可能とします。
*DAppsとは、記録や権力が一点に集中するのではなく複数に分散化されたブロックチェーン技術を使ったアプリケーション
特徴・機能
(1) スマートコントラクト
イーサリアムの最も重要な特徴は、スマートコントラクトの実行能力です。
スマートコントラクトは信頼性のある契約の自動化を可能にし、中間業者や信頼関係の確認作業を減らすことがで、
スピーディな処理を実現します。
(2) プログラム可能性
イーサリアムはプログラム可能なトークン(ERC-20、ERC-721など)をサポートしており、
開発者が独自のデジタル資産やプロトコル(*)を作成できるようにします。
これにより、トークンの発行や資産の管理、デジタルアートやゲームアイテムのトークン化など、
多様なアプリケーションが実現されています。
*「プロトコル」とは、ネットワーク上での通信や相互作用を制御するルールや規約のセットを指します。
(3) 分散化
イーサリアムは分散型のネットワークであり、参加者はネットワーク上で相互に直接取引や通信を行うことができます。
中央集権的な機関や第三者の介在が必要なく、信頼性とセキュリティが確保された取引が可能です。
(4) ガスと手数料
イーサリアムでは、トランザクションやスマートコントラクトの実行に対してガスと呼ばれる手数料が必要です。
ガスはネットワークのリソース使用量を表し、トランザクションの優先順位や手数料の設定に影響を与えます。
*トランザクション=取引
(5) アップグレードの柔軟性
イーサリアムはアップグレード可能なブロックチェーンであり、新しい機能やプロトコルの追加が可能です。
これにより、プラットフォームの進化やスケーラビリティの向上が可能になります。
イーサリアムは、その柔軟性と開発者コミュニティの活発さにより、多くのプロジェクトやDApps(*)が構築されています。
デジタル資産の発行や分散型アプリケーションの開発に興味がある場合は、イーサリアムは重要なプラットフォームであると言えます。
*DAppsとは、記録や権力が一点に集中するのではなく複数に分散化されたブロックチェーン技術を使ったアプリケーション
イーサリアムの「プロトコル」とは、ネットワーク上での通信や相互作用を制御するルールや規約のセットを指します。
具体的には、以下のような要素を含みます。
ブロックチェーンのルール
イーサリアムのプロトコルは、ブロックチェーン上でトランザクションやブロックの作成、検証、採掘などを制御します。
これには、ブロックの作成間隔、ブロックのサイズ、検証手順、報酬の分配ルールなどが含まれます。
スマートコントラクトの実行ルール
イーサリアムではスマートコントラクトが実行されるためのルールもプロトコルで定義されています。
これには、スマートコントラクトのコードの実行順序、ガスの料金体系、エラーハンドリング、ストレージの管理方法など
が含まれます。
トランザクションのフォーマット
イーサリアムのプロトコルは、トランザクションのフォーマットや構造を定義しています。
これには、送信元アドレス、受信先アドレス、トランザクションのデータ、ガス制限などの情報が含まれます。
ネットワーク通信プロトコル
イーサリアムのノード間での通信に使用されるネットワーク通信プロトコル(通常はEthereum Wire Protocol)も、イーサリアムのプロトコルの一部です。
このプロトコルは、ノード間でブロックやトランザクションの伝送や同期を行うためのルールを定義します。
イーサリアムのプロトコルは、ネットワークのセキュリティ、信頼性、相互運用性を確保するために重要な役割を果たしています。
プロトコルのアップグレードや変更は、イーサリアムコミュニティの合意やネットワークのコンセンサスに基づいて行われます。
イーサリアムは「プラットフォーム」であるとされますが、日本語で言い換えるなら
イーサリアムの文脈における「プラットフォーム」を日本語で言い換えるなら、「基盤」という表現となるでしょう。イーサリアムは、スマートコントラクトの実行や分散型アプリケーションの開発を可能にする「基盤」を提供すると言えます。
イーサリアムがプロットフォームとして採用されている具体的事例
イーサリアムは、多くの分散型アプリケーション(DApps)やプロジェクトにプラットフォームとして採用されています。
イーサリアムの代表的な採用事例をご紹介します。。
Decentralized Finance (DeFi)
イーサリアムはDeFi(分散型金融)の主要なプラットフォームとして広く採用されています。
DeFiは、中央集権的な金融サービスをブロックチェーン上で再現し、ローン、スワップ、ステーキングなどの機能を提供します。代表的なDeFiプロトコルには、Compound、Uniswap、Aaveなどがあります。
ノンファンジブルトークン (NFT)
イーサリアムはNFT(ノンファンジブルトークン)の主要なプラットフォームとしても知られています。NFTは、独自の所有権を持つユニークなデジタルアセットを表現するトークンです。CryptoKittiesやDecentralandなどのNFTプロジェクトがイーサリアム上で展開されています。
ゲームアプリケーション(NFTゲーム)
イーサリアムはブロックチェーン技術を活用したゲームアプリケーション(NFTゲーム・GameFi)にも多く採用されています。(NFTゲームのビジネスモデル)
ブロックチェーン上でゲームアイテムを所有・取引・育成することが可能となり、ゲーム内経済の透明性とユーザーの所有権が保護されます。
資産トークン化
イーサリアムを使用して、不動産や芸術作品などの物理的な資産をトークン化するプロジェクトも増えています。これにより、従来の資産をブロックチェーン上で取引可能なデジタルアセットに変換し、流動性を向上させることができます。
クロスチェーンプラットフォーム
イーサリアムは他のブロックチェーンとも相互運用性を持つクロスチェーンプラットフォームとしても進化しています。ブリッジ技術やレイヤー2スケーリングソリューションなどを活用し、他のブロックチェーンとの接続を実現しています。
これらはイーサリアムがプラットフォームとして採用されている代表的な事例の一部です。イーサリアムの柔軟性と開発者コミュニティの活発さにより、さまざまな分野で新しいプロジェクトやアプリケーションが次々と生まれています。
イーサリアムを投機目的とした場合
イーサリアムは、暗号資産の時価総額ランキングで、ビットコインに次いで2位(暗号通貨・時価総額ランキングとなっていて、投資対象としても人気があります。
なぜイーサリアムが投資対象とあり得るのか?を説明します。
先に記載した通り、イーサリアムはスマートコントラクトの実行やDAppsの開発を可能にするプラットフォームです。
イーサリアムのトークンであるEther(ETH)は、ネットワーク上でのトランザクション処理やスマートコントラクトの実行に使用されます。
投機対象としては、イーサリアムのプラットフォームの成長、あるいはDAppsの普及によって価値が上昇する可能性などが期待されています。
特に、新しいプロジェクトやトークンがイーサリアム上で開発され、ユーザーの増加や採用拡大が見込まれる場合、
その影響でEtherの価値も上昇することが見込まれていると考えられます。
ビットコインはデジタルな貨幣としての使用と、保有することによる投資としての価値を持っていますが、
イーサリアムは、プラットフォームとしての機能に関し、将来的に進展が期待され、投機対象となっている点が特徴と言えます。