ビットコインの価値はない?リップルの送金決済、イーサリアムのスマートコントラクトに比較すると・・・?

コラム

ビットコインの主な機能が「デジタル通貨」としての役割や「価値の保存」(デジタルゴールド)に焦点を当てている点において、リップル(XRP)の送金決済やイーサリアムのスマートコントラクトと比較すると、確かにビットコインの具体的な機能は限定的と感じる人、いませんか?
ただ、「デジタル通貨としての機能以外に具体的な機能がない」と断言するのは、単純化しすぎです。
考え方を整理する記事で、一部私見を含みますが、ビットコイン、イーサリアム、リップルの目的・機能、価値の捉え方、考え方として記載します。

1. 主要暗号資産の主要機能の比較

ビットコイン (BTC)

主な目的  価値の保存(Store of Value)およびピア・トゥ・ピアのデジタル通貨。
機能
– 非中央集権的なデジタルマネーとして、個人や機関が中央機関を介さずに価値を送受信可能。
– 希少性(2100万枚の供給上限)によるインフレ耐性。
– 分散型ネットワークによる検閲耐性(取引の凍結や制限が困難)。
特徴
シンプルな設計で、主に「通貨」としての信頼性とセキュリティに特化。複雑なプログラマビリティや特殊な用途は意図的に排除。

リップル (XRP)

主な目的: 国際送金や金融機関向けの効率的な決済
機能
– 高速かつ低コストなクロスボーダー送金(例:銀行間決済)。
– XRP Ledgerを活用したトランザクションの迅速な処理(数秒で完了)。
– 主に金融機関や決済プロバイダ向けに設計され、従来のSWIFTシステムの代替を目指す。
特徴
中央集権的な要素(Ripple Labsの影響力)が強く、特定のユースケース(国際送金)に特化

イーサリアム (ETH)

主な目的: 分散型アプリケーション(DApps)のプラットフォームおよびスマートコントラクト
機能
– スマートコントラクトによる自動化された契約やプログラムの実行(例:DeFi、NFT、DAO)
– トークン発行や複雑なアプリケーションの構築をサポート。
– 汎用性の高いプログラマブルなブロックチェーン。
特徴
ビットコインより柔軟で多機能だが、複雑さやスケーラビリティの課題が伴う。

2. ビットコインの「デジタル通貨以外の機能」はあるか?

ビットコインはリップルやイーサリアムのような特化型・多機能な用途(国際送金の最適化やスマートコントラクト)を持たないため、以下のように評価されます。
(1)デジタル通貨以外の機能は限定的
ビットコインのプロトコルは意図的にシンプルで、主に「安全な価値の転送と保存」に最適化されています。
イーサリアムのようなプログラマビリティ(スマートコントラクト)や、リップルのような特定業界向けの最適化(国際送金)は標準機能としてはありません。
ビットコインのブロックチェーンは、トランザクションの記録と検証に特化しており、複雑なロジックやデータ処理を直接サポートする設計ではない。

(2)ただし、拡張機能や応用例は存在
レイヤー2ソリューション、ライトニングネットワークのようなスケーラビリティ向上技術により、ビットコインは高速かつ低コストなマイクロペイメントや決済用途に対応可能。これにより、単なる価値保存を超えた「日常的な決済通貨」としての機能が追加されつつあります。

・サイドチェーンやプロトコル
例として、StacksやRSK(Rootstock)のようなプロジェクトはビットコインのセキュリティを活用しつつ、スマートコントラクトやDAppsを構築可能。
ただし、これらはビットコインのネイティブ機能ではなく、外部技術の追加。
・セキュリティと検閲耐性
ビットコインの分散型ネットワークは、検閲や資産凍結に対する強い耐性を持ち、特定の国や状況下での「自由な資産管理ツール」として機能。
これはリップルやイーサリアムとは異なるユニークな価値提案。
・社会的・経済的役割
ビットコインは「非中央集権的な価値の象徴」として、経済危機やハイパーインフレ時の代替資産(例:ベネズエラでの使用)や、
プライバシー重視の取引手段として使われる。これは単なる通貨機能を超えた社会的意義を持つ。

3. ビットコインの機能の限界とトレードオフ

*シンプルであることは意図されている
ビットコインはセキュリティと分散性を最優先し、複雑な機能を避けています。
これは、リップルの高速送金やイーサリアムの柔軟性に比べ、用途が狭いと見なされる理由にもなっている。

スケーラビリティの課題
ビットコインのベースレイヤーはトランザクション処理速度が遅く(約7 TPS)、手数料が高騰することがあり、日常的な決済より価値保存に適している。

競合との差
リップルは金融機関向けの効率性、イーサリアムは多様なアプリケーション開発に特化しており、ビットコインはこれらの領域で直接競合しない。

4.結論:本当に「デジタル通貨以外の機能はない」と言える?

(1)「デジタル通貨以外の機能はない」は、基本的に正しいが、完全にではない
ビットコインのコア機能は「デジタル通貨」と「価値の保存」に集中しており、リップルの送金特化やイーサリアムのスマートコントラクトのような明確な「追加機能」はネイティブには存在しない。
ただし、ライトニングネットワークやサイドチェーン、検閲耐性といった拡張機能や応用例により、デジタル通貨の枠を超えたユースケースが発展しつつあります。これらはビットコインの「シンプルさ」を補完する形で機能を提供。

(2)ビットコインのユニークな価値
ビットコインは「究極の分散性とセキュリティ」を提供し、他のプロジェクトが追随できないレベルの信頼性と独立性を持つ。
これ自体が、リップルやイーサリアムの特化型機能とは異なる「機能」とも言えます。
~例:経済的自由や資産保護を求めるユーザーにとって、ビットコインの非中央集権性は「機能」そのもの。

5. 補足:具体的なユースケースの比較

プロジェクト主な機能具体例
ビットコイン(BTC)価値の保存、デジタル通貨インフレヘッジ、資産保護、ライトニングネットワークでの決済
リップル(XRP)国際送金・決済銀行間送金(例:SBI Ripple Asia)、低コスト送金
イーサリアム(ETH)スマートコントラクト、DApps DeFi(Uniswap)、NFT、トークン発行

 

最後に

ビットコインはリップルやイーサリアムに比べ、デジタル通貨・価値保存以外の具体的な機能が少ないのは事実ですが、それは、まさに「デジタルゴールドであるから」とも言え、拡張技術や社会的役割により、法定通貨を超えた価値を提供しています。つまり、法定通貨を超える価値こそ、ビットコインの機能と考えても良いかもせいれません。それはビットコインがイーサリアムやXRPを含めたすべてのアルトコインと区別された存在であることの理由かもしれません。
リップル(XRP)の特徴をビットコインなど主要な暗号資産との比較で理解したい

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