暗号資産の値動きを見ていると、空売りしたくなりませんか?
空売りは、値下がりで儲ける売買手法で、株式や先物取引では空売りを専門にしている「ショーター」もいるほどです。
空売りをマスターすると暗号資産の価格上昇時と下落時の両方で儲けることが可能になります。暗号資産を空売りする方法とその注意点を説明します。
1.まずは、言葉を整理しましょう。
空売りとは
一般的には株式売買における空売りが基になっています。
「現物の売り」というのに対して、手元に持っていない株式を、信用取引(*)などを利用して「借りて売る」ことを指します。
(*信用取引とは、現金や株式、投資信託を担保として証券会社に預けることにより、その担保合計金額の約3倍の購入資金や株式を借りてお取引が可能となる株式取引です。 )
株式の現物取引は、株式の購入後、値上がりしたら、売却し、利益を得ます。
空売りは、株価が高い状態にある場合に、これから下がることが予想されると判断し、
先に売り、その後予想通り株価が下落したところで買い戻して、その差額を利益として得る手法です。
株を買っていない、保有していない状態で、売るため「空売り」と呼ばれます。
ショート
FXを含めて投資業界では、「売り」を「ショート」と呼ぶ習慣があります。
一方で、「買い」は「ロング」と呼ばれます。
その由来は、諸説ありますが、わかりやすいのは、「相場の上昇は、時間がかかるからロング、相場が下落すときは短時間で下がるからショート」と呼ばれるようになったと言われます。
このことからもわかるように、一般的に相場は、下落時のスピードが上昇時より速いので、「空売り(ショート)」は短時間で稼げるメリットがある、とも言われます。
ただし、株式相場では、「買いは家まで売りは命まで」と言われ、空売りのリスクは買いよりも怖いと言われますので、慎重を期する必要があります。
空売りのメリット
大きく2つのメリットがあげられます。
1. 相場が下落している局面でも利益獲得が可能
価格上昇時と下落時の両方で儲けることが可能になります。
2. 長期投資目的の暗号資産に対し、適時のリスクヘッジが可能になる
長期保有していると、当然に相場は上下を繰り返しますが、時に大幅な下落が起きる時もあります。
でも、暗号資産に早期に着目し、非常に安い価格で取得した場合は手放したくないものです。
それでも急落・暴落時は不安になって「念のために手放そう」という思いにから、不本意に手放してしまう可能性・・・そんなリスクをヘッジするために、空売りを活用し、下落の落ち着きを見計らって買い戻せば、利益を取って、長期ホールドを継続できます。
また、一般に空売りはレバレッジ取引となり、現物取引よりも資金効率が良い取引ができます。
レバレッジとは、自己の投資資金(証拠金)を担保にお金を借り受けて、自己資金よりも大きな金額での取引ができる仕組のこと。国内の暗号資産取引所におけるレバレッジは、自己資金の2倍の取引が可能となります。
(ただし、リスクも大きくなる点は注意が必要です。)
空売りのデメリット
先にも記載した通り、「「買いは家まで売りは命まで」の格言があり、空売りのリスクは高いことを忘れてはいけません。
この格言は、株式相場のもので、株価は、どんなに株価が下がったとしても0円にしかなりません。しかし、株価上昇に弾みが付いた場合には、短期間で株価が急騰することもあり、理論上、株価は青天井であるため、「命まで」と言われています。
暗号資産も同じとはいえないまでも、似ている面はあります。どんなに暴落しても、「買い」の場合は、自分の購入額が損失の限度額となりますが、空売りの損失額は、自分が売った金額をはるかに超えて、空売り価格の2倍・3倍になる可能性もあります。ただ、実際には、こうした損失の拡大を防止するために、暗号資産取引所は、レバレッジ取引におけるロスカット(ポジションの強制決済)のルールが設定されています。
また、空売りにはコストがかかります。売買手数料に加えて、暗号資産を借り入れる費用がかかります。その費用は、相場によって変化するため、自分でコントロールはできません。
予想を超える費用になることもありえるので、貸株料の相場も見ておく必要があります。
これらデメリットをまとめると下記の3点となります。
・レバレッジの使い方次第で、損失のリスクも上がる。
・ポジションの維持(空売りしてから、買い戻すまでの期間に応じた)コストがかかる
・含み損が膨らむとロスカットされる場合がある。(空売り後、目論見に反して暗号通貨の価格が上昇とした場合、損失を抱えることになり、その損失を限定するためにルールに応じてロスカットが発動となる場合があります。)
暗号資産の空売りの準備
暗号資産(仮想通貨)の空売りの準備、手順は下記の通りです。
1.取引所の開設
空売りを行うためには、暗号資産(仮想通貨)を取り扱う取引所を選択する必要があります。
ただし、全ての取引所が空売りをサポートしているわけではありません。
空売り(ショート)ができる主な暗号資産(仮想通貨)取引所を3社ご紹介します。
DMM Bitcoin
DMM Bitcoinでは、国内No.1となる25種類もの仮想通貨がラインナップされている。
ビットフライヤー(ビットコインの取り扱い量は日本一、国内で屈指の人気を誇る仮想通貨取引所)
GMOインターネットグループ(東証一部上場)の【GMOコイン】
東証スタンダート上場のGMOフィナンシャルホールンディングスが運営するの暗号資産取引所です。
国内の仮想通貨取引所が提供するレバレッジ取引において「販売所」だけでなく「取引所」を利用できるため、販売所よりも取引コストを安くできることがあるなどきめ細やかなサービスを提供しています。また、ロスカット水準は他社よりも損失の拡大を防ぐ観点を優先しています。(証拠金維持率75%、他社の多くは50%)
2.暗号通貨の(仮想通貨)借り入れ
空売りを行うためには、空売りを行う暗号資産(仮想通貨)を借りる必要があります。これは、取引所やプラットフォームから他の投資家の仮想通貨を一定期間借入れます。(実際は、、借入手続については、取引所や他の参加者との間で行われ、空売りを行う当事者が借りてくる必要はありません。
3.売却の実行
借り入れた仮想通貨を市場で売却します。売却時の価格とは異なる価格で買い戻すことを目指します。
(上記2と3はについては、2は、取引所において「空売りができる暗号資産(仮想通貨)の一覧」が用意され、空売りを行おうとする人は、一覧から空売りに適していると判断できる暗号資産を選び、しかるべきタイミング(なるべく高い価格で)空売りを実行します。)
4.買い戻しと返却
価格が下がった場合、再び同じ数量の仮想通貨を市場で購入し、借り入れた仮想通貨を返却します。この段階で利益を得ることができます。通常、借りた暗号資産の返却手続きは、空売りの買い戻しと共に同時に完了するようになっており、空売りの利益は、下記の計算式で得た金額となります。
空売りの利益 = 空売り価格 ― 買い戻し価格 - (売買手数料+借入料金などの経費)
もう一つの空売り手段「暗号資産CFD」
暗号資産を空売りする手段として、それと似た取引ができるCFDという投資手法をご紹介します。
CFDとは
CFD(Contract For Difference)は、「差金決済取引」のことで、主に日経平均株価の取引に用いられ、「日経平均CFD」と呼ばれます。
そのあらましは、株価現物の売買は行わずに証券会社に証拠金を預け、日経平均株価指数を売買することでその差金のみを決済する取引方法を指します。
この手法を暗号資産の売買に用いるのが、「暗号資産CFD」です。
暗号資産の現物取引をしない方にはおすすめです。
CFD取引は、対象となる資産の受け渡しは行わず、売買で発生した損益のみを受け渡すことで取引が完結しますので、カンタンです。
トレーダーと取扱業者との間で暗号資産のやりとりはありません。売買した差額(円)が増えたり、減ったりするだけ。
レバレッジをかけた運用ができますし、「売り」(空売り・ショート)からでも「買い」からでも取引を開始することができます。
暗号資産CFDの特徴
・メジャーな暗号資産が対象となっている
・レバレッジをかけた取引ができる
・24時間、365日取引ができる
・「売り」からでも取引できる
・暗号資産が流出する心配がない
・取引手数料無料(メリット)
・スプレッドが取引コストになります。
(暗号資産取引所における買と売の価格差で、事前にCFDユーザーが事前に把握することはできませんので、デメリットと言えるるでしょう。)
・レバレッジ手数料は発生します。
・取引は、暗号資産取引所ではなく、証券会社となります。
一般的には、取引所で空売りするよりも、コストは安くなると考えられます。
(スプレッドは取引所、取引日時により変動しますので、単純比較はできません。)
例:マネックス証券の暗号資産CFD
特徴・メリット
■取引手数料や入出金手数料が無料コストを気にせず取引可能
■取引はもちろん、口座開設や入出金もスマホひとつで簡単操作
■ストリーミング注文や指値・逆指値注文をはじめ、OCO・IFD、IFOなどの複合注文にも対応
詳細は、こちらから。