VivoPower International (ビボ・パワー・インターナショナル)のXRP財務戦略拡大の背景
VivoPower International PLC(NASDAQ: VVPR)は、持続可能なエネルギーソリューションを提供する企業として知られています。
メインの事業は、カスタマイズされた耐久性の高いフリートアプリケーション、バッテリー及びマイクログリッド、太陽光及び重要な電力技術及びサービスのための電気ソリューションに注力している企業です。
同社は、2025年に入り、デジタル資産を活用した財務戦略への大胆なシフトを進めています。
この動きの起点は、2025年5月28日の発表で、約1億2,100万米ドルの私募を調達し、XRPを中心としたデジタル資産トレジャリー戦略を世界初の公開企業として開始したことです。
この資金は、主にXRPの購入・保有、DeFi(分散型金融)チームの構築、債務削減、運転資金に充てられる予定でした。
リード投資家にはサウジアラビアのAbdulaziz bin Turki bin Talal Al Saud王子が名を連ね、元リップル取締役のAdam Traidman氏がアドバイザリーボードの議長に就任するなど、リップルエコシステムとのつながりが強調されています。
この戦略の背景には、グローバルな暗号資産市場の成熟化と規制環境の改善があります。
2025年現在、米国ではトランプ政権下で「戦略的ビットコイン準備金(Strategic Bitcoin Reserve)」の拡大が議論されており、
XRPが潜在的な国家備蓄資産の候補として浮上しています。
これにより、企業レベルでの暗号資産保有が「投機」から「戦略的備蓄」へ移行するトレンドが生まれています。
マイクロストラテジー社(MicroStrategy)のビッチコイン戦略が成功を収めたように、ビボ・パワー・インターナショナルはXRPを「低コストで高速な国際送金・決済に特化した資産」として位置づけ、伝統的な財務ポートフォリオの多様化を図っています。
また、ビボ・パワー・インターナショナルの持続可能性ミッション(例: 太陽光発電事業)とXRPのエネルギー効率の高いブロックチェーン(XRP Ledger)が相性が良い点も、戦略の原動力です。
2025年6月にはBitGo(ビットゴー社:デジタル資産のインフラプロバイダー)との提携で1億ドルのXRP購入を計画し、Flareネットワークとの連携で利回り生成を強化、9月にはDoppler Financeと3,000万ドルのXRP利回りプログラムをスタートさせるなど、段階的な拡大を重ねてきました。
最新の報道(2025年10月1-2日)
ビボ・パワー・インターナショナルがさらに1,900万米ドルの株式公開を完了し、調達資金をXRP保有の拡大に充てることを発表しました。
この発表に株式市場は好意的反応し、10/3時点で株価は上昇基調にある。10月2日の市場では5.62ドルまで値を上げ、前日比9.55%の上昇、また半年前と比較すると52.30%、前年比では316.30%上昇している。また、今回の発行価格は1株6.05ドルで、前日終値比34%高の価格をつけ、米国内外の機関投資家から強い支持を集めました。
この資金は、XRPの長期保有に加え、債務返済とDeFi統合の加速に使われます。X(旧Twitter)上でも、このニュースが急速に拡散され、「XRPのMicroStrategy版」との声が上がって、リップラー達を歓喜させています。
●リップルXRPをはじめるなら
VivoPowerのXRP財務戦略拡大の影響
1. XRP市場とリップルエコシステムへの影響
こうしたビボ・パワー・インターナショナルの動きは、XRPの機関投資家採用を加速させる触媒となり得ます。
総調達額が1億4,000万ドルを超える規模でXRPを直接購入・保有することで、XRPの流動性向上と価格安定化が期待されます。
実際、発表直後にビボ・パワー・インターナショナルの株式は14-32%上昇し、XRP価格も3ドル台(約450円)を回復する動きが見られました。 さらに、FlareやDopplerとの提携でXRPをDeFiプロトコルに活用する「XRPFi」モデルを推進しており、XRP Ledger(XRPL)の実世界応用(例: ステーブルコインRLUSDの統合)を促進します。これにより、リップルエコシステム全体が活性化し、他の企業(例: WeBusの3億ドルXRPトレジャリー計画)への波及効果が生まれる可能性が高いです。
2. VivoPower企業への影響
ポジティブな面では、株主価値の向上と事業多角化が挙げられます。XRP保有は伝統的なエネルギー事業のボラティリティをヘッジし、2025年8月のRipple Labs株1億ドル取得のように、割安(市場価格比86%オフ)でXRPを蓄積する機会を提供します。
一方で、リスクも無視できません。
暗号資産の価格変動性が高く、規制変更(例: SECのXRP訴訟残滓)で保有価値が急落する可能性があります。また、株主構成の変化(機関投資家増加)で短期的な株価圧力がかかる一方、長期保有戦略が失敗すれば企業信頼を損なう恐れがあります。
3. 広範な市場・業界への影響
この戦略は、公開企業による暗号資産トレジャリーの「XRP版」を確立し、ビットコインやイーサリアム中心のトレンドを多様化します。
サウジ王族の関与は中東資本の流入を促し、グローバルなクロスボーダー決済需要を刺激するでしょう。
一方で、市場全体の投機熱を高め、バブルリスクを増大させる側面もあります。
ビボ・パワー・インターナショナルの成功が証明されれば、2026年までに類似戦略を採用する企業が急増し、暗号資産のメインストリーム化を加速させるはずです。このニュースはかなりインパクトありました。
参考:ナスダック上場のVivoPowerがXRP財務戦略を拡大
総じて、ビボ・パワー・インターナショナルの拡大はXRPのプレゼンス向上を示す好例です。
暗号資産投資家はこれをXRPエコシステムの成長指標として注視すべきでしょう。