メタバースはゲームではなく、「もう一人の自分が、リアルで不可能な幸福を実感できる、もう一つの世界」

メタバース

近い将来、メタバースは人間の欲求のほとんどを満たす巨大ビジネスになると言われています。本当でしょうか?現在、それほど大ブームになっていないのは何故でしょうか?
「ゲームには興味ない」「うさんくさい、怪しい」「リアル(現実)でなきゃ、意味ない」など否定的な意見もまだまだ多く、また費用面で敷居が高いことも事実です。

一方で、全世界で大企業が参入し、世界各国で自治体や行政機関が参入していることも事実であり、メタバースで近い将来に実現できる多くの可能性に投資しています。どんな可能性があるのか、何を実現できるのか?私たち個人にとってどんな魅力があるのか?探してみます。

1.メタバース興味なしの理由

理由は人それぞれですが、その中でも多いと思われるのは

・しょせんゲームでしょ?興味なし
・バーチャルに興味なし、現実世界で生きるのみ
・そんな暇なし
・(ハマると)健康に悪そう

こうした意見を一定あって、否定することもできませんが、メタバースを知ることで、これらの意見が180度変わる可能性もあると感じます。

メタバースのそもそも論、既に実現していること、これから実現するであろうこと、これらを知ることで、興味が湧く方もあると思います。

2.メタバースの魅力「時空を超越した世界」

そもそもメタバースは何?から、なぜ注目されているか?何ができるのか?をご紹介します。

メタバースの語源

メタバースという名前(言葉)の由来は、2つあるようで、
まず1つは、「メタ=超越」と「ユニバース=宇宙」の組み合わせ。リアル空間とはちがう仮想空間のなかで社会・生活活動ができることをあらわす、とされます。

もう1つは、「形而上学的」と「宇宙」を組み合わせ。

メタ=形而上とは、形がなく、感覚ではその存在を知ることができないもの、あるいは時間・空間を超越した抽象的・普遍的・理念的なもの、バース=世界または宇宙、
つまり、メタバースは、「メタ(形而上)の世界」
リアルを形而下世界(形を備えいるモノ・物質)に対して、メタバースは「形而上の世界」です。
「リアル(現実)でなきゃ、意味ない」という意見はあって当然で、
リアルとメタバースは、まったく異なるもので、「もう一つの世界」なのです。

いかがでしょう?バーチャル(仮想現実)よりも、もう一つの世界、形而下の世界と考えると、興味が湧いてきませんか?
人間は、形而上と形而下、二つの世界で生きていると考えると、これまで形而下(物質的な)の生活を重視してきたと考えられますが、今後は、2つの世界、それは形而上と形而下、つまり、「時空を超越した世界」と「物質的世界」の2つの世界で生きていくことを意味しています。

二つの世界で生きることができる、そのことは、これまでリアル(=現実・物質的世界)で満足できない、あるいは、「居場所がない」「もっと快適な空間を探していた」などの不満をメタバース(時空を超えた世界)で解消できる可能性があります。

もともとゲームとしてスタートしたメタバースが、いろんな目的で人が集まってくる近い将来を見越して、世界の大企業が参入し始めたのは、そんな背景があります。

メタバースにできること、可能性と魅力

メタバースをゲーム、あるいは「ゲームの延長」と認識される方はかなりあり、
「ゲームには、興味がないから、メタバースにも興味が湧かない」方は多いと思われます。
実際、ゲームの発展・拡張がメタバースにつながった面があることは事実ですが、単なるゲームに、世界の名だたる企業が投資することは、何故か?疑問です。
こうした疑問を解消すべく、調べてみると、メタバースの分野はどんどん拡大しており、ユーザーはゲームプレーヤーに限定されず、老若男女、個人・法人が集まる「コミュニティ」となっていることがわかります。その発展はSNSプラットフォームの成長過程に似ています。

単なるゲームとしての位置づけから、多目的プラットフォームに変革した事例「フォートナイト(Fortnite)」。

フォートナイトは人気オンラインゲームですが、「原始的メタバース」と位置づけられ、いわば、メタバースの入り口と言えます。(厳密には、メタバースの類に入りません。)
フォートナイトは、対戦型のシューティングゲームで、対戦ルールをユーザーがアレンジすることが可能なことがユーザーに評価され、ゲーム内で武器を作ったり、砦や城壁を造ったりして、対戦手法を工夫できるほか、そもそもの「撃ち合いゲーム」を「鬼ごっこ」やレースに変更することができるフレキシブルなゲームであり、極めて息の長い人気を誇ります。またコミュニケーション機能が充実していることから、参加ユーザー同志の交流が進み、ゲーム内でファッション・コスチュームを褒めあう、家や城の出来栄えを評価しあう、など、対戦ゲームの機能を超えた交流が活発になって、ユーザーが集うコミュニティと化しています。フォートナイトはゲームとしてのプラットフォームから、多目的プラットフォームに変革した、と見なすことができます。

もし、フォートナイトが、ブロックチェーンによるWEB3型ゲーム(≒メタバース)であれば、集客規模はさらに拡大し、ゲーム内の各種ツール(武器や衣装・家や城など)がNFT化され、ゲーム外で売買できるようになると、ゲーム内のコミュニケーションは、さらに活発になり、ビジネスモデルは単なるゲームの枠を超えることになるでしょう。

こうしてオンラインゲームは、多目的プラットフォーム化し、プラットフォームの機能を細分化した複数のメタバースが組み合わさる(≒マルチバース)ことで、SNSに匹敵する集客力をもつようになります。

コミュニィ化したメタバースの集客力に企業が着目する

多目的プラットフォームは、SNSのような集客力を有すことになると、ますます人を呼び込むようになります。リアルの店舗であれば、「収容キャパ」の問題がありますが、メタバースの場合、SNSと同様に収容キャパは無限(に近い)です。
代表的なメタバースゲーム「The Sandbox」のユーザーは200万人を超えます。

人が集まるところには、企業は広告を出すなどの経済活動が始まります。
そして企業の経済活動は、広告にとどまらず、メタバース内で各種サービスを展開し、そのサービスに従事する人たちの雇用が生まれ、さらにコミュニティは大きくなります。
メタバース内には、旅行・観光のほか、音楽(コンサート)や演劇なども開催されます。
かつてゲームプレーヤーが集ったコミュニティは、多目的なユーザーを集客することで、
より一層多くの種類のコミュニティが生まれ、参加ユーザーは、好きなコミュニティを選んで、探して参加し、リピーターが新規ユーザーを勧誘する拡大循環が生まれることになります。

巨大メタバースゲーム「The Sandbox」

The Sandbox”は多彩な活動ができるメタバースプラットフォームで、単なるゲームではなく、さまざまはコンテンツ作成やエンターテインメントの機会を提供しています。

土地の購入と開発

プレイヤーは仮想の土地を購入し、それを自由に開発できます。土地はエクスペリエンス(*)を構築する基本的な要素であり、ゲーム内での活動の場所として使用されます。

エクスペリエンスの制作

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プレイヤーは土地上に3Dのエクスペリエンスを作成できます。サンドボックスにおけるエクスペリエンスとは、ゲーム、アート、音楽、対話型エンターテインメントなどが含まれます。独自のエクスペリエンスを制作し、他のプレイヤーと共有できます。

アセットの作成

3Dアセット(キャラクター、建物、アイテムなど)を作成し、エクスペリエンスに組み込むことができます。プレイヤーはアセットを独自にデザインし、カスタマイズできます。っこれらを販売・購入することも可能です。

ゲームの制作

サンドボックスではゲームを制作できます。プレイヤーはゲームルールやゲームプレイを設計し、独自のゲームをプレイヤーに提供できます。

ゲーム内経済活動

サンドボックス内で経済活動は、LANDトークンやSANDトークンなどの仮想通貨を使用します。ランドボックス外で、これらの仮想通貨を円・ドルなど法定通貨に交換することも可能できます。

コミュニティと交流

プレイヤーはランドボックスの各種コミュニティに参加し、他のプレイヤーやクリエイターと交流できます。プロジェクトやアイデアを共有し、協力プロジェクトに参加する機会があります。

アートと音楽の制作

プレイヤーはエクスペリエンス内で独自のアート作品や音楽を制作し、他のプレイヤーに鑑賞してもらうことができます。

サンドボックスはクリエイターにとって多くの自由度を提供し、さまざまな分野での活動が可能なメタバースプラットフォームです。プレイヤーは自分の趣味や興味に合わせてコンテンツを制作、あるいは他のプレイヤーが制作したコンテンツを楽しみ、コミュニティと共有することができます。
サンドボックスにおける3Dのエクスペリエンスは、多種多様なゲーム(アクションゲーム、アドベンチャーゲーム、パズルゲームなど)、アートギャラリー、音楽と音楽イベント開催のためのステージ・コンサートホール・スタジオの作成、住宅地、商業地、公園、交通インフラなども含めた仮想都市計画、仮想店舗の設置と運営・営業、学習ゲーム、バーチャル教室、教育的なシミュレーション、演劇などのアトラクション、多岐にわたる活動が含まれます。

メタバースにおけるユーザーの究極の目的

メタバースに求めるユーザーの理想は、人それぞれですが、それを敢えて言葉にするなら、
「リアルでは実現不可能な幸福感を得ること」と言えるのではないでしょうか。
それは、時空を超越し、自らの肉体とはかけ離れたアバターとして、「なりたい自分を実現できる幸福」であり、リアルの悩みの解消を実感できる機会を得られること。
それは、「バーチャル美少女受肉」(略してバ美肉)と呼ばれる自分自身とは異なる、場合によっては、なりたい性別に生まれ変わって活動することも可能、それが「リアルでは実現不可能な幸福感を得ること」。
だから、メタバースはなりたい自分が、自分にとって心地よい環境で、やりたいことだけをする。例えば、「快適なオタク感を楽しめるコミュニティ」を実現することも、「極めて稀な性癖を持つ人だけのコミュニティ」もアバターだからできる可能性があります。

現在、リアルにおいては、多様性と個人の権利がぶつかってしまう不都合に悩まされることもありますが、メタバースではあらかじめ、ぶつかることがない、居心地の良いコミュニティを選んで参加できるので、現実世界の煩わしさから解き放たれるでしょう。このことは、「孤立を防止する」、「自分の居場所を見つけられる」など精神衛生面のサポートになることも期待されます。

現実世界において、会える人の数には限りがありますが、ネット世界(SNS)ではオープンとクローズドを選べる。オープンにおいては、極めて多い数の人にアクセスでき、バスる、炎上するなどの現象が起きる。一方でクローズドにおいては同じ趣味や政治志向、方向性を共有できる人との共生・共感を得る場として活用されています。ネット世界(SNS)のクローズドの心地よさをメタバースでは、仮想現実で体験できることになります。

メタバースは、できないことは、「睡眠、食事、排泄・入浴」と言われています。
これら以外は、可能なのです。(睡眠については、「VR入眠体験」があり、現実にはあり得ない入眠体験ができる。)
メタバースにおける恋愛、結婚は、極端な恋愛観や性的嗜好が受け入れられやく、リアルの恋愛・結婚からの逃避ではなく、メタバースでの恋愛こそ素晴らしいという価値観も生まれています。その結果、「メタバース結婚」は常に癒しを満期できる結婚生活として、今後、サービス展開される可能性ありますし、性体験については既に実用化されています。

「2つ目の人生」「もう一人の自分」としてのメタバースライフは素晴らしい経験ができるようになるかもしれません。

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